ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

Atrium House

ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

後悔のない2階リビングづくり

よく後悔ポイントとして挙げられる2階リビング。

たしかにデメリットがあるのは事実だけど、誤解も多い気がしなくもない。

今回は2階リビングについて紹介します。

 

2階リビングを検討する人

はじめに言っておくけど、広大な土地の真ん中にポツンと家を建てられる人は2階リビングのメリットなんて皆無です。

 

生活を考えると1階リビング、もっと言うと平屋がベストでしょう。

だけど、普通の人は平屋が建てられるような土地を買うことは不可能だし、かと言って田舎に買うのが正解かと言われると断定はできないでしょう。

 

なので、1階リビングの家と2階リビングの家を単純に比較するのは無意味で、その土地の様々な事情が加わることで2階リビングのメリットが産まれます。

 

 

我が家の2階リビング

我が家も例に漏れず、大阪の都市部の30坪の土地です。

我が家の周辺だと30坪は広い方ですが、ガレージ付きの1階リビングの家を建てるには全然足りません。

更に大通りに面しているという事情もあります。

 

土地の狭さ

狭い土地の1階にガレージ、玄関、水回り、LDKを配置すると広いLDKは絶望的。なんなら配置することすら不可能ですよね。

我が家と同じ大きさの家だと2階リビングなら30坪(建ぺい率80%)の土地で建てられますが、1階リビングだと40坪(建ぺい率80%)の土地が最低限必要です。

この22.8帖のLDKを1階に置くなんて不可能ですよね。

ガレージと玄関は1階にせざるを得ないので、広いLDKを求めると自ずと2階リビングになります。

 

通り沿い

狭い土地いっぱいに家を建てる場合、庭がないので通り沿いにリビングを配置しないと暗くなりますが、通り沿いのリビングにすると今度は人目が気になって年中カーテンを閉めることになり、結局は暗いリビングになります。

2階リビングにすれば、人目を気にする必要が無いので明るいリビングにすることができます。

 

 

よくある勘違い

「2階リビングは階段の昇り降りが大変だ」という意見をよく聞きますが、これは誤解です。

 

例えば、

①起床→②朝食→③外出→④帰宅→⑤自室で過ごす→⑥夕食→⑦風呂→⑧就寝

という生活を考えてみます。

 

1階LDK、2階寝室の場合



2階LDK、1階寝室の場合

階段を昇降する回数はどちらも2往復です。

もちろん「⑤自室で過ごす」がなければ1階LDKは1往復になりますし、「②朝食」がなければ2階LDKは1往復になります。私なんかは「③外出」することも「⑤自室で過ごす」こともない日もあるので、そんな日はどちらの場合でも1往復です。

生活スタイルは家族でも異なるので、どちらが少ないとは明確には言えないですし、少々増えても生活に大きく影響するほどではないです。

 

 

また、「老後は2階リビングだと老後の階段の昇り降りができない」という意見もよく聞きます。

 

手摺りを使っても自力で階段の上り下りができないという状態は要介護3以上ということで、生活全般で24時間介護を必要とする状態ですので、そもそも自宅で過ごすこと自体が難しいです。

事故や病気で足が不全になることも考えられますが、屋内で車椅子生活をするには普通の家では狭すぎるのでやっぱり難しいです。

 

要するに完全バリアフリーの家にする以外に方法はないんですね。けど、万が一に備えて完全バリアフリー化するのにお金を使うのってナンセンスですよね。

個人的には要介護3になったら施設に入り、車椅子生活になったらバリアフリーの家に引っ越すという選択をする方が現実的で幸せだと思います。

そして、そのためにも処分に困らない家にしておくという方がよっぽど大事です。つまりは誰も住まないような場所に建てたり、住みにくい間取りにしないことですね。

 

 

デメリットと対策

他によく聞くデメリットとその対策も簡単に書いておきます。

1.買い物時に2階まで荷物を運ぶのが大変

  >それほど大変じゃない。通路と階段は広くしておくべき。

2.ゴミ出しの際に1階に運ぶのが大変

  >大変じゃない。通路と階段は広くしておくべき。

3.大型家電を搬入しにくい

  >逆に寝室のベッドやマットレスの搬入は楽。通路と階段は広くしておくべき。

4.庭に干せないのでベランダが必要

  >外干しは卒業した。サニタリールームは超便利。

5.子どもがいつ帰ってきたか分からない

  >大豪邸でない限り分かる。教育の問題。

6.夏熱い

  >逆に冬は暖かい。高断熱住宅にすれば全て解決。

 

 

広い通路と階段は重要

2階リビングに関わらず、悪い導線はストレスの元なので人が交錯しやすい階段や通路は広げておいた方が良いです。

同じく人が同タイミングで集まりがちな玄関も広いに越したことは無いです。

 

我が家は階段も廊下も内寸で1m以上あり、一般的な家が75~80cm程度なので20cm以上広いです。これだけあると、すれ違いも楽なのでおススメです。

玄関も6帖あるので渋滞することは無いです。

 

 

3階建ての2階リビング

ここまでは2階建ての2階リビングの話をしていたんだけど、3階建ての2階リビングの家もある。

私の実家がそうなんだけど、3階建ては明確に階段移動が増えるので住みやすさは落ちる。妻の実家は4階建ての3階リビングだから尚更。

住みやすさは平屋>2階建て>3階建てであることは間違いないので、多少の住みにくさは受け入れるしかないと思う。

おまけに3階建ての家は3階建てにせざるを得ないぐらい土地が狭いことがほとんどで、階段を広げたりするのも難しいことが多く、改善の余地も少ない。

 

ただ一つ言えることは3階建ては普通にいっぱい建ってるし、80歳近い私の両親も妻の家族も普通に住んでいる。

土地が狭くて安い分、本来住めないエリアに住めたり、お金が浮いたりしているはずなので、別の幸せを得ることができるはず。

何で幸せになるかは人それぞれなので、家にお金をかけない選択もアリだし、狭くても都会に住むのもアリ。

もちろんマンションを買うのも賃貸で借りるのもアリ。