昨年末、米ドル建て保険を解約しました。
解約すると生命保険料控除が無くなって税金が増えるのがイマイチな気がしたので、ソニー生命の担当営業に相談してみると、変額個人年金保険『SOVANI(そばに)』を紹介されました。

これがなかなか癖強の商品で、一見すると手数料の高いゴミにしか見えないのですが、税制まで考慮すると条件付きでアリな商品でしたので紹介します。
変額個人年金保険は積立投資により老後資金を蓄えることを目的とした保険です。
掛け金、投資商品、受取方、受取時期などを自分で決めて運用するというところはiDeCo(個人型確定拠出年金)によく似ていますが、一時金受け取りの年齢制限がなかったり税制メリットが異なったりと微妙に違います。
SOVANIはソニー生命の変額個人年金保険で、オリコンの顧客満足度1位は眉唾なので置いといても、ここ2年間で預かり資産残高が43倍になっていることからかなり売れてる商品みたいです。
実際、担当営業も最近の投資ブームもあって、最も売れてる&押している商品と言っていました。

SOVANIが売れている理由
担当営業が言うセールスポイントは
・月額3,000円からの少額で始められる
・厳選された16の金融商品から選択できる
・スマホアプリで商品をいつでも変えられる
・ライフプランナーによる助言が受けられる
とのことで、特に最後の「ライフプランナーの助言」というのが投資初心者に受けているそうです。
と、ここまでがセールストーク。
私が思うにライフプランナーはただのファイナンシャルプランナーなので具体的な提案は金融商品取引法違反で違法なので、大した助言はできないはずです。
ただソニー生命は信託報酬や売買手数料で儲けているわけではないし、顧客の資産が増えれば自社の利益も増えるスキームなので証券会社よりは顧客に寄り沿ってくれるような気もします。
私の場合はライフプランナー=担当営業なのですが、大手保険会社の営業マンは彼ら自身が高年収サラリーマンなので、自分でも節税や投資をしており話を聞いても普通に詳しいです。
私が契約した理由
私が評価する点は1点のみで
節税になる
です。
ただ、担当営業はこの点をあまり押してきませんでした。
税制が複雑すぎて押しにくいのもあるのでしょうが、節税の恩恵を受けられる人が限られているからというのもあるでしょう。
また、掛け金が高すぎると節税効果が薄くなるので、節税を押しすぎると売り上げが下がる懸念もあるのかもしれません。
他の資産形成のための制度と比較してみました。

特徴としては早期解約時の解約金があり手数料が高いながらも、iDeCoのように拠出時の所得控除があるのに資金の引き出しに年齢制限がなかったり、贈与や死亡時にも税制メリットがあることです。
vs 新NISA
ストロングポイント
・所得控除が受けられる
・リバランスできる
・贈与できて税制メリットがある
・相続時に税制メリットがある
ウィークポイント
・手数料が高い
・7年以内の解約で解約金発生
・商品数が少ない
ストロングポイント
・いつでも何回でも一時金を受け取れる
・一時金は年50万円まで非課税
・いつでも解約できる
・贈与できて税制メリットがある
・相続時に税制メリットがある
ウィークポイント
・所得控除額が小さい
・年金受取に税制メリットがない
・手数料が高い
・7年以内の解約で解約金発生
新NISA
始めやすいし辞めやすいので最優先です。
昨年は特定口座分を切り崩しながらですが年360万円x2人の枠を埋めました。
今年も埋められると思います。
iDeCo
50代以上向けと考えています。
小さい子どものいる30代の私では、60歳まで資金がロックされるのはそれ自体がリスクです。
私は大企業勤めなので退職金も多いし、これから税制が変わるリスクも考えると現状ではやる気がないです。
そもそも私は企業型DCをしているのでiDeCoの枠が小さいです。
企業型DCは社会保険料を下げる効果もあるので優先度高めです。
SOVANI
7年以内に解約すると解約金がとられる以外のデメリットは無いように思います。
生命保険料控除の範囲内の少額ならおすすめです。
年収700万円以上で生命保険料控除の枠が余っている方には特におすすめです。
ちなみに生命保険料控除の枠は所得税は支払保険料8万円分まで、住民税は支払保険料5.6万円分までと差があるので、減税額だと年8万円(月6,667円)、減税率だと年5.6万円(月4,667円)以下が最も良いです。
ということで、私の優先度としては
新NISA>企業型DC>SOVANI>>>iDeCo
ですかね。
私の運用方法
私は資産形成目的ではなく、90%所得控除+10%贈与目的でSOVANIを使用します。
なのでできる限り維持費を安くしながら節税効果を上げることが第一です。
主な施策は以下の通り。
・契約者は私、被保険者は子どもに設定
→被保険者は変えられないので、早期の被保険者死亡による強制終了を防止。子どもに贈与する際にも使いやすい。
・拠出金は月7,000円に設定
→生命保険料控除(一般生命保険料)が最大になる年8万円(=月6,667円)超
・7年目(85ヶ月目)以降は最低運用額で運用
→運用資産が増えると手数料が増える仕組みのため、解約金がなくなる7年目以降は最低運用額(10万円)を残して一時金を受け取り、他で投資する。
・100%海外株式型MSPで運用
→唯一選べる外国株インデックス投信でMSCIコクサイ・インデックス(日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株)に連動する投信。運用資金が多くないのでなんでも良い。
・相続税の対策をしたくなったら調整
→いつでも拠出金を調整できます。
出口戦略としては年金受取にメリットがないので一時金を貰って解約か入金して贈与の二択を考えています。
まずは明確なデメリットとして7年間の有料解約期間があるので、さっさとクリアしちゃいます。
本格的にどうするかはNISAの枠を使い切ってから検討します。
シミュレーション
新NISA、SOVANI、特定口座でシミュレーションをしてみました。
縦軸が利益で横軸は運用期間です。
条件
・利回り:5.0% ・拠出金:月7,000円
・所得税率:20%(年収700~1000万円)
・SOVANIは7年目以降は10万円残して特定口座で運用

SOVANIは解約金が発生する7年目までは勝負になりませんが、以降は15年目まで新NISAよりも優勢で、それより長期になると負けます。
SOVANIは所得控除(所得税8,200円+住民税2,800円の減税)があるので利回りが低いほど優勢で、逆に利回りが高いと不利ですが、利回り10%でも20年目までは勝てるので基本的には新NISA>SOVANI>特定口座の順に優勢です。
当たり前ですけど7年目以降SOVANI10万円残しの新NISA運用だと最強です。
7年後まで新NISAの枠が余っている人はこれ一択です。
ちなみにSOVANI一本だと12年目以降、明確に悪化します。
高額な手数料が複利の効果の邪魔をするからです。

今回のシミュレーションは所得税率20%の人ですが、所得税率23%以上の年収1100万円以上になると、節税効果の拡大によって更にSOVANIの効果は大きくなります。
逆に年収600万円以下の所得税率10%以下の方はほとんど恩恵がありません。
やっても損はしないけど、大した効果もない感じです。
贈与時のポイント
ここで終わりたいのですが、贈与時の話も書いておきます。
相続税をしこたま払う必要のある方以外は関係のない話です。
一般的に贈与税は物であれ、お金であれ贈与が発生したタイミングで発生し、その年の確定申告で申告します。
しかし、保険は一時金(返戻金)を受け取ったタイミングで元本に対してのみ発生するため、SOVANIの一時金をいつでも受け取れる制度設計を利用すれば節税ができます。
元本500万円+運用益300万円の計800万円のSOVANIを贈与(契約者変更)する場合を考えます。
まず贈与した時点では贈与税は発生しません。
贈与税の対象となる元本の500万円分を一時金(返戻金)として受け取る際に贈与税が課せられるのですが、一時金を5年かけて100万円ずつ受け取れば、贈与税の非課税枠110万円以下のため非課税となり申告も不要です。
運用益300万円については被贈与者(贈与された人)の一時所得と分類されます。
一時所得は50万円まで非課税で申告も不要なので、6年かけて50万円ずつ受け取れば運用益分も非課税になります。
なので5年x100万円+6年x50万円の800万円分の贈与を非課税にすることができます。
実際はこの間にも運用益が増えるので、もう数年一時所得を受け取れる可能性が高いです。
注意が必要なのが保険の返戻金は先に元本分が返ってきて、その後運用益分が戻ってくる仕組みです。
なので1~4年目までは150万円を受け取ると、元本150万円(贈与)を受け取ったことになり贈与税が発生しますが、5年目だけは元本100万円(贈与)+運用益50万円(一時所得)を非課税で受け取れます。
受け取るお金が元本なのか運用益なのかで収入の分類が変わり、税制も変わるので注意してください。
これの強みは先に実質的なお金を渡しておけるということです。
先にSOVANIを贈与しておけば生前は現金で贈与して、没後はSOVANIで贈与する形にすることで没後も贈与税の非課税枠を使うことができます。
故人から贈与されてるって変な感じですけどそういうことみたいです。
ただし、亡くなる7年前までに贈与しておかないと相続税の対象になりますので、早めに渡しておく必要があります。
ただSOVANIは投資信託を運用するので、亡くなるまでに時間がかかっても資産は増えるので隙がないです。
相続税対策には色んなやり方があるので、資産がある方は税理士に詳しく聞いてください。
ちなみに相続税の生命保険金の非課税枠を使用するには契約者=被保険者にして、受取人を相続人にする必要があります。