ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

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(準)延焼防止建築物で建てていたら?を考えてみた

今更ですが、2019年の建築基準法改正によって「延焼防止建築物」、「準延焼防止建築物」という新たな建築物が誕生しました。
 

 

私は2019〜20年にかけて防火地域にある我が家の新築計画をしていて、「耐火建築物」の2階建てにするか、「耐火建築物」の3階建てにするかで頭を悩ませていました。
 
この改正によって「延焼防止建築物」の2階建てと「延焼防止建築物」の3階建てという新しい選択肢が産まれたので期待していたのですが、法は改正されたものの詳細は未定とのことで、工期もあって「耐火建築物」の2階建てで建てることになりました。
 
なので、今回はそれぞれの建て方で我が家がどうなっていたか、そして私は何を選んだのかを検討してみます。
メリット、デメリットは我が家の場合です。
 
 

①準耐火建築物(2階建て)

現在、私が住んでいる家です。
建築価格は5570万円(税込)。
※後に仕様を上げて5720万円になりました。
準耐火建築物で建てるために延床面積100㎡の2階建てになりましたが、ガレージの別棟化、別棟屋上のテラス化、3階のロフト化をすることで、理想の間取りをほぼほぼ実現しました。

 

メリット
・低額
・無駄なスペースがない
・吹き抜けが大きい
・テラス(屋上)が大きい
 
デメリット
・ガレージが小さい(普通車1台+小型車1台)
・3階(ロフト)が使いにくい
 
詳細はこちら。


 

②耐火建築物(3階建て)

建築予定価格は7620万円。
延床100㎡の制限はなくなりますが、土地の問題で建築面積はあまり変わりません。
全ての石膏ボードを2枚貼りにするので、帖数の割に部屋は狭いし、価格は上がるし、地震にも弱くなって良いことは無いです。
3階建てには非常用進入口とそれに繋がる通路も必要なので、私の希望通りの間取りは実現できませんでした。
 
メリット
・ガレージが大きい(普通車2台+バイク数台)
・3階が普通に使える
・各部屋が少し大きい
 
デメリット
・高額
・無駄スペースが多い
・吹き抜けが小さい
・テラスが小さい
地震に弱い
 
 

③準延焼防止建築物(2階建て)

 

①準耐火建築物との最も大きな違いは窓です。
セットバック距離によって各方角毎の開口部の面積が決まるので、我が家の場合は東(下)側以外の窓はほとんど置けないです。
我が家自慢のリビングの大窓✕4枚も吹き抜けの2枚は置けなくなってしまい、なんの魅力もない家になっちゃいます。

家内部の柱や梁の石膏ボードを無くせるので部屋が1cmほど広くなりますが、価格は外壁の耐火性を上げるので変わらないと思います。

 
メリット
・①より低額(窓が減る分)
・①より気持ち部屋が大きい
 
デメリット
・リビングが暗くなる
・窓の向きに制約を受ける
・魅力が無くなる
 
 

延焼防止建築物(3階建て)


②の内装の耐火性を少し落として③の条件が足される感じです。
デメリットが多すぎる。
 
メリット
・ガレージが大きい(普通車2台+バイク数台)
・3階が普通に使える
・②より気持ち各部屋が大きい

デメリット
・高額(②よりは低額)
・無駄スペースが多い
・吹き抜けが小さい
・テラスが小さい
・リビングが暗くなる
・窓の向きに制約を受ける
・魅力が無くなる

 

結論

やはり準耐火建築物(2階建て)がベストチョイスでした。
今となってはこの吹き抜けと窓がなくなるのは有り得ないですね。

(準)延焼防止建築物はセットバック距離が影響するので、敷地いっぱいに建てる都会の小さい家にはデメリットが多いです。
あくまで住宅外の建築物のための規格って感じ。
 
当時は工期を遅らせることも視野に入れていたのですが、我が家には関係なかったことが分かり一安心です。
もし工期を遅らせていたらコロナショック直撃でえらいことになってたので、本当に良かったです。
 

 

ここまで読んで頂きありがとうございます。 

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