ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

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我が家が太陽光発電を採用しなかった理由

ちょっと時事問題を取り上げてみます。

東京都で太陽光パネルの義務化が検討されています。

正確には一定規模以上のハウスメーカー工務店に一定量の設置を義務付けるって話ですが、結局は消費者に価格転嫁されるので反対意見も多いみたいです。

www.tokyo-np.co.jp

 

この政策の是非は置いといて、我が家の話。

 

我が家は太陽光発電を採用していません。

 

今回はその理由についての話です。

 

太陽光発電を採用しない理由

理由は3つ

 

  • 南隣がマンション
  • 日中家にいない
  • 投資として魅力が薄い

 

です。

 

 

南隣がマンション

我が家は大阪市内の割と都会にあるので、マンションがすごく多いです。

隣がマンションだと陰ができて日射量が少なくなるので太陽光発電には不利な立地です。

しかし日射が無いわけではないので、シミュレーションをすると10年後にプラス、20年後には160万円の利益になるそうです。

表面利回り(年間収入÷初期費用)は10%ぐらいですかね。

 

ただ、売る側が作ったものは眉唾物なので、3割増ぐらいに思っておいた方が無難でしょう。

実際にリクシルのシミュレーションは11年目からの売電価格が21円/kWh(実際は7~9円/kWh)と現実離れしていました。

大手でコレなんで、正直業界自体が胡散臭いです。

他にも

  • パワコンの交換費用
  • 太陽光パネルの経年による効率低下
  • 定期点検の費用
  • 住人のライフスタイル
  • 撤去費用

なんかもシミュレーションに反映されていないことがよくあるので注意が必要です。

 

 

日中家にいない

太陽光発電は日中にしか発電できません。

発電した電気は①貯めるか、②売るか、③使うかをします。

 

①貯めるには高額な蓄電池が必要なので防災用途でない限りメリットは薄いです。

我が家のような敷地が狭い場合は場所の確保も大変です。

 

②売るは売電価格が安くコスパが悪いです。

10年ほど前は売電価格が今の倍以上だったので、昔の人の儲け話は無視しましょう。

 

③使うが最もコスパが良いわけですが、我々は共働きで日中は家にいないので使うことができません。

発電量の多い春の場合、平均的な4kWのシステムだと7~17時の間に13~14kWhを発電しますが、我が家の同時間の使用電量は6kWhなので半分しか使えないことになります。

 

要するに場所も適していないし、ライフスタイルも適していないです。

なので採用するメリットは無いとは言い切れないまでも、薄いです。

 

 

太陽光発電は投資

太陽光発電は投資ですよね。

「お金の話じゃない、地球のためなんだ」という方であれば、ただの趣味趣向なので好きにすれば良いと思います。

しかし、リターンを求めるなら投資です。

住宅の太陽光発電は借金で投資をする、所謂「レバレッジ投資」という投資初心者には勧められないリスキーな形になってるんです。

 

投資である以上、儲かる人もいれば損をする人もいると思いますので、1つ1つの成功談、失敗談に興味はありません。

ただ、リスクとリターンのバランスがマッチしているか、借金してまで投資する価値があるのか?

ここが疑問です。

 

住宅用太陽光発電のリスク
  • 売電価格の低下(売電する場合)
  • 電気料金の低下(自己消費の場合)
  • 日射量の減少
  • 発電効率の低下(経年、塩害、糞害)
  • 機器の破損
  • 自然災害による被害
  • 金利の上昇(変動金利の場合)
  • ランニングコストの増加
  • 転居&売却

ぱっと思いつくだけでリスク要素が結構あるんですよね。

 

リスク=チャンスなので良い方向に転ぶ可能性もありますし、一般的な表面利回りは10~15%程と不動産投資と比べると格段に良い数字なので悪いとは言い切れません。

 

しかし住宅の太陽光発電は投資商品と考えると致命的な欠陥があります。

 

住宅用太陽光発電の欠陥

それは

売ることができない

ことです。

 

株、投資信託、債券、為替、不動産など投資商品にも色々ありますが、共通しているのは売ること(現金化)ができることです。

売れるので時流に合わせて切り替えたり、損失を最小限に抑えたりできるわけです。

住宅の太陽光発電は100~200万円で設置したら最後、後は祈るばかりです。

 

サラリーマンの私は定期的な安定収入があるので、自己資金でリスク分散できて放置しても複利効果が受けられる投資信託に毎月こつこつ積立てる方が魅力的に思えますね。

 

 

さいごに

太陽光発電は投資的な一面があります。

採用する場合はリスクを受け入れ、念入りなシミュレーションを行いましょう。

 

 

ここまで読んで頂きありがとうございます。 

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