計算してみました。
UA値とは
住宅の内部から外皮(床、壁、屋根、開口部)から出ていく熱量を外皮の総面積で割ったものです。
単位は[W/㎡・K]。
断熱性能を表していて、値が小さいほど熱が逃げにくく省エネです。
外皮平均熱貫流率とも呼ばれます。
最近はこのUA値を各社競い合って断熱性能をアピールしています。
Q値とは
外皮に加えて換気で出ていく熱量も含めて延床面積で割ったものです。
単位は同じく[W/㎡・K]。
こちらも断熱性能を表していて、値が小さいほど熱が逃げにくく省エネです。
熱損失係数とも呼ばれます。
Q値は延床面積で割るため、大きい家や簡単な形状の家の値が低くなり、断熱性能や省エネ性能の目安に適さないので姿を消しつつあります。
違い
UA値は換気を含めないので、高効率の熱交換換気を導入しても数字には現れません。
しかし、換気量は実測しないと分からないC値※や換気回数、換気システムにも左右されてしまいます。
指標としては使いにくいのでQ値は目安程度で良いと思います。
※家の隙間の大きさを表す指標。単位は[c㎡/㎡]。小さいほど高気密。
計算結果
UA値 = 0.52
Q値 = 1.59
でした。
我が家は木造軸組工法の充填断熱の家です。
窓もアルミ樹脂複合サッシのペアガラス。
HMが謳う様なことをしなくても、それなりのスペックは出せます。
一応計算したExcelも貼っときます。
Q値はUA値が計算できれば簡単に算出できます。
私は仕事柄数字に強いので30分ほどでできましたが、苦手な方は難しいかも。
2021年4月以降はUA値の算出が義務化されるはず※ですので、施主が行う必要はなくなるはずです。
※1回延期されてます。
参考にしたのはこちら。
挑戦したい方はどうぞ。
各規準との比較
各規準はこんな感じです。
我が家は大阪市なので6地域になります。
2021年4月以降義務化となるH25省エネ基準は当然としてZEH基準もクリアしています。
もう少し厳しい指標を見てみます。
上の表はHEAT20という団体が推奨する断熱性能のレベルです。
G1が冬場に体感温度10℃を下回らないレベル
G2が冬場に体感温度13℃を下回らないレベル
G3が冬場に体感温度15℃を下回らないレベル
※通常の暖房使用
だそうです。
我が家はG1とG2の間なので11℃を下回らないぐらい。
少し頑張ればG2ぐらいはいけそうです。
断熱性能、省エネ性能を第一に謳う一条工務店はUA値=0.25※なのでG3レベルです。
※i-smartモデルケース(プランで異なります)
計算すると分かりますが、G3はかなり努力(資金投入)しないと達成できないです。
我が家の場合、外貼り断熱をするスペースがないので減築必須です。
C値
高断熱住宅を目指すなら気密性も大事です。
断熱が良くても隙間風が吹いていたら寒いですからね。
例に漏れず我が家も高気密住宅になる予定です。
C値は測定してみないと分からないですが、建築士さんの過去の実績から0.5はいけるだろうとのことでした。
※我が家の建築士さんは以前、市販の壁掛けエアコン1台で全館温める家を設計しています。
1.0を下回れば高気密住宅を謳えるレベルなので、なかなか優秀です。
C値の測定
C値の測定はこんな機械でやります。
大事なのはタイミング。
最も正確なのは当然、完成後に行うことです。
しかし、完成後だと是正ができません。
「C値2.0。まぁまぁだねぇ~」で終わっちゃいます。
なので外部に繋がる建具や配管、配線後で、石膏ボードを貼る前に行うのが良いです。
当然、我が家もこのタイミングです。
2回やれたら良いんでしょうけど、1回5万円もするんで実利を取ります。
C値なんてただの数字ですから真の値を気にする必要はありません。
経年で悪化するし。
一条工務店も後者での測定でC値0.7以下が必達です。
彼らは基本的に2×6なんで高気密化しやすい工法ではあるものの、曲がりなりにも自由設計の家で全戸保障できるのは素直に凄いと思います。
ηA(イータエー)値
もう1つ省エネ性で問われるのがηA値です。
平均日射熱取得率とも呼ばれ、太陽光の室内への取込みやすさを表しています。
H25省エネ基準では5~8地域のみ要求されていることからも、夏期の日射熱を気にしているのだと言えます。
しかし、私はこの指標はまったく気にしていません。
何故なら我が家のすぐ南隣には10階建てのマンションがあるからです。
ηA値は周りの状況など一切気にせず計算します。
なので、イメージとしては広大な敷地のど真ん中にポツンと家がある感じです。
そんな家は都心には存在しません。
シュミレーションしてみると、7〜9月の昼頃は我が家の壁や窓は全部、屋根も半分が影になります。
計算結果と全然違うことになるのは目に見えています。
マンションはまだ築10年ほどなので、ηA値を気にする必要はないのです。
ここまで付き合って頂きありがとうございます。
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