ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

Atrium House

ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

防火地域の建築制限の抜け道

前回の続き

防火地域の例外を活用し、インナーガレージを附属建築物(離れ)にすることで、制限いっぱいの延床面積100㎡を全て住居スペースに使用し、ガレージの屋上をバルコニーとして活用する計画を立てました。

 

はじめに

今回の記事の内容は

  1. 敷地は防火地域
  2. 延床面積100㎡(30坪)以上を希望
  3. 敷地は2階建てor平屋を建てられる広さ
  4. 耐火建築物にはしたくない
  5. 家の一部が別建物になっても良い

この5つを全て満たす凄くニッチな人向けの情報です。

1つでも該当しない方には全く関係のないお話になります。

 

確認の結果

建築士さんが指定確認検査機関へ相談してくれました。

 

結果は


なんとかなりそう


でした。

 

確認事項

イデア実現にあたり以下の4つの懸念点を確認しました。

  1. 延床面積100㎡以下の制限は附属建築物を含む面積か
  2. 隣接する車庫が附属建築物に該当するか
  3. 住居の2階から附属建築物の屋上に出られる構造でも附属建築物に該当するか
  4. ピロティ部(オーバーハング下)が床面積に含まれるか

 

指定確認検査機関の判断

Q1.

延床面積100㎡以下の制限は附属建築物を含む面積か。

A1.

含まれない。

100㎡以下の制限はそれぞれの建物の床面積に対してのもの。

附属建築物は

平屋建てで50㎡以下は外壁+軒下を防火構造

2階建て若しくは50㎡超100㎡以下は建物を準耐火構造

3階建て以上若しくは100㎡超は建物を耐火構造

にする必要がある。

 

Q2.

隣接する車庫が附属建築物に該当するか。

A2.

別棟で構造的かつ利用が一体となっていないのであれば、上下階で重なっていても附属建築物に該当する。

 

Q3.

住居の2階から附属建築物の屋上に出られる構造でも附属建築物に該当するか 。

A3.

住宅部の2階から直接車庫の屋上へのアプローチがある場合、一体利用となるため附属建築物にならない。

しかし、車庫の屋上周りに手摺がなく、屋根の用途のみであれば附属建築物になる。

ただし、1階(車庫内やアプローチ側)から屋上への経路があれば、車庫の屋上に手摺があるのは不思議ではない。

 

Q4.

ピロティ部(オーバーハング下)が床面積に含まれるか 。

A4.

今回の計画ではピロティ部がアプローチとしての機能のみ持ち、屋内的用途(駐車・駐輪スペース)に使えないため、床面積に含まれない。

 

 

Q1:100点、Q2:100点、Q3:60点、Q4:100点ってとこでしょうか。

Q3はなんとでもなりそうなので合格でしょう。

 

この抜け道を使えば延床60坪の大きめの家でも2棟に分けることで準耐火建築物で建てられることになりますね。

普通は建蔽率容積率で引っ掛かるので難しいでしょうけど、防火地域は基本的に商業地域で建蔽率容積率も高め(我が家は建蔽率80%、容積率400%)なので、割とできちゃいます。

ただし、基本的には離れにキッチン、風呂、トイレの3つが全てあると附属建築物として扱われず、土地を文筆しなければならないようです。

また、渡り廊下の構造でも変わるようなので気を付けてください。

 

 

これまで散々防火地域、耐火建築物について書いてきましたが、次回からは2階建て準耐火建築物+その附属建築物になります。

間取りも設計も1から再スタートです。

お隣とのトラブルで1年延期になったのが功を奏しました。

 


サンキュー糞野郎!!

 

 

ここまで駄文に付き合って頂きありがとうございました。 

こちらから様々な建築設計事務所の素敵なお宅が見られます。