ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

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議事録について その2

前回に引き続き今回も議事録の話をします。
前回は議事録は誰がなんのためにどのように書くのかを書きました。今回は私のやり方を紹介します。

 

私が議事録の作成・管理に使っているのはGoogleスプレッドシートです。MicrosoftExcelのような表計算ソフトです。Excelを使っていない理由はGoogleドライブで管理しているからです。

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知らない人のためにGoogleドライブとスプレッドシートを説明しますので知っている方は飛ばしてください。

Googleドライブはオンラインストレージサービスです。要するにインターネット上にデータを出し入れできるサービスです。これによりインターネットが繋がっている環境であれば、どこでもデータを出し入れできるようになります。

なによりGoogleドライブが優れているのは他の人とファイルを共有できることです。もちろん権限もつけられるので閲覧しかさせないこともできます。私が学生の頃の様にUSBでファイルを持ち運んで、Excelがインストールされたパソコンで編集する時代は終わりました。ファイル共有と言えばWinnyWinMXで裏でコソコソやってたのが嘘のようです。勿論違法なファイル共有はダメですよ。

そしてスプレッドシートです。スプレッドシートExcelと違いWeb上で操作しますのでソフトをインストールする必要がありません。なのでインターネットが繋がっていればどのパソコンでも操作が可能になります。スマホは無料のアプリを入れれば操作できます。そしてスプレッドシートGoogleドライブの中のファイルも操作できます。

 

私の議事録はこんな感じです。

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これは3回目の打ち合わせで、建具を決めている頃です。見積り前なので予算気にせず好き放題言っています。

 

一番左の列は状態です。終わったものなのか、まだなのかを書いています。

2~5列目は5W1Hで言うところの2列目と3列目はWhere(どこで)、4列目はWhat(何を)5列目がHow(どのように)の部分になります。When(いつ)は次回打合せ時まで、Who(誰が)は建築士さんであることが明確なので書いていません。私が何かする必要がある場合はメモ欄に記入します。

 

私は打ち合わせの前日までに建築士さんからメールで図面や仕様書を送ってもらい、それに対し質問内容や要望を2~5列目に書きます。この段階では1列目の状態欄は空欄になっています。そして打合せ当日、建築士さんとその内容について話すと「○」を打ち込みます。全ての行が「○」になると、私が伝えたいことは全て伝えたことになりますので、伝え漏れを防止できます。

「●」は完了の状態です。ここでの完了は図面や仕様書に内容が反映されたという意味です。建築士さんと協議した内容や感じたことは全て5列目の内容の欄に「→」の後に書きます。「→」のないものはそのまま図面や仕様書に反映されるということになります。

 

私たちの打合せは私がノートパソコンを開きながら行います。まず前日までにスプレッドシートに書いた内容を建築士さんに説明します。Googleドライブには資料を保存してありますので、イメージ写真やカタログのスクリーンショットを見せながら行います。

そして協議すると、話した内容をスプレッドシートに残します。それを繰り返し私の質問や要望を伝えきったところで、建築士さんの話を聞きます。建築士さんとの話で決まったことや、新たに質問したこともその都度スプレッドシートに残します。

 

私から先に話をするのは私の方で既に希望する姿があるのに、建築士さんの提案を聞いていると時間の無駄になるからです。もちろん建築士さんにも考えがあるので、私の意見を踏まえて新しい提案をしてくれることもあります。

たまに「建築士は建築のプロなのだから素人の施主がとやかく言うのは失礼」みたいな意見を見かけますが、絶対にそんなことはありません。良い製品というものは本気と本気がぶつかり合ってできるものです。ユーザーである施主がへっぴり腰で良いものなんてできるわけがないです。

 

内容のところにはなるべく理由を書いています。私の頭はガチガチの理系脳なので、全ての内容に理由、根拠を求めてしまいます。理由を書いておかないと、失念したときにもう一度考えなければならず時間が無駄になります。それに理由を建築士さんに伝えておけば、より良い提案をしてくれるかもしれません。

余談ですが、私は新婚旅行に行く理由をどう頑張っても見出せず、結局行けませんでした。新婚とは言っても8年も交際したし同棲もしていたので新婚感は0でした。

 

私が時間が無駄だと言っているのは私がせっかちだからではありません。どのお宅も長い短いはあれど納期はあります。つまり検討できる時間というのは限られているものなのです。私だけの時間ならなんとでもなりますが、建築士さんと話ができる時間というとほんとうに短い時間です。その短い時間で色々なことを決める必要があるので効率よく動くことが大事なのです。

 

議事録を書くということは自分の身を守るだけでなく、限られた時間を有効に使う武器でもあるのです。

 

 

ここまで駄文に付き合って頂きありがとうございました。 

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