前回は防火地域で延床30坪超or3階建てを建てると費用が嵩むんだよってことを書きました。
今回も家づくりにおいて防火地域と準防火地域でどう変わってくるか。
構造のことを施主目線で書きます。
住宅の工法について
家の作り方って色々あるんですけど、大きく3つに分けると木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)があります。
そして、
木造には軸組工法、2X4(2X6)、パネル工法、SE工法(金物工法)
鉄骨造には軸組工法、ラーメン工法、ユニット工法
RC造にはラーメン工法、壁式工法
があります。
詳細は書きませんのでご自分で調べてください。
年配の営業マンに防火地域で大きめと言うと・・・
鉄骨かRCじゃないと無理と言われます。
若い営業マンに防火地域で大きめと言うと・・・
防火地域?? できます!!と言われます。
どちらが正しいかと言うと、正解は工法はあまり関係ありません。
そのハウスメーカーor工務店ができるかできないかになります。
ハウスメーカーの対応
私が訪れたハウスメーカーで3階建て耐火建築対応の可否を書いておきます。
前回も書きましたがどこも+坪10万円程度かかります。
積水ハウス:問題なくできます(重量鉄骨ラーメン)
大和ハウス:問題なくできます(重量鉄骨ラーメン)
へーベルハウス:問題なくできます(重量鉄骨ラーメン)
住友不動産:部屋が狭くなるけどできます(パネル工法)
住友林業:部屋が狭くなるけどできます(木造軸組、SE工法)
セキスイハイム:お得意のユニット工法は無理、重量鉄骨ラーメンなら可
三井ホーム:部屋が狭くなるけどできます(2X4or2X6)
ミサワホーム:お得意のパネル工法は無理、軽量鉄骨ユニット造なら可(※)
パナホーム:問題なくできます(軽量鉄骨軸組)
サンヨーホームズ:問題なくできます(軽量鉄骨軸組)
JPホーム:問題なくできます(RCラーメンor壁式)
一条工務店:対応できません
地元パワービルダー2社:対応できません
※ミサワのユニット造で可は営業マン情報ですけど、工場生産のユニット造で耐火構造は不可能に近いので怪しいです。
大手はなんとかして対応してくれますが、地方メインのところは厳しいです。
ちなみにこの中で一番安かったのが住友不動産とサンヨーホームズで坪80万円でした。
一番高いところは三井ホームとJPホームの坪120万円で、他は坪90~100万円程度でした。
ただJPホームは 地盤強化に最悪1000万円かかる(最低200万円)と言われ、50m先のお宅を調査した結果を見せてくれました。
三井が木造の2X4なのに高いのは「三井だから」と言う他ありませんが、基本は耐火建築物でも木造<軽量鉄骨<重量鉄骨<RCの順に高くなります。
サンヨーが安いのは単純に仕様とブランド名かなと思います。
同じ工法のパナホームは3階建てだとエレベーターが標準ですからね。
耐火と準耐火と一般建築物の違い
そもそも耐火建築物と準耐火建築物と一般の住宅だと何が違うのでしょう。
まず一般の住宅と準耐火建築物の違いは防火被膜やら防火構造やら防火区画やら色々ありますが、施主に関係するところはあんまりないです。
窓はシャッターを付けるか防火窓にしなければなりません。
防火窓は見栄えの悪い網入りが一般的で、網なしは少し高いし種類も少ないです。
大手のハウスメーカーに頼むときは外壁や屋根、玄関ドアは標準で準耐火仕様にしてたりするので、そこまで影響はないと思います。
耐火建築物も屋根や外壁の仕様とか色々ありますが、準耐火より高いものを使うってだけです。
細かい制約で希望通りにならなかったり色々ありますけど。
まぁやっぱりお金が一番大きいですね。
大抵のことはお金が解決してくれます!!
ただ耐火木造については注意が必要です。
耐火木造は壁の中の石膏ボードを2枚貼りしないとダメなので、内壁が1枚につき20mm程厚くなります。
尺モジュールの壁に挟まれた部屋は壁芯910mmの場合、内寸は通常745mmぐらいですが、耐火木造だと700mmぐらいになります。
まぁこれも土地が大きけりゃなんの関係もないんですけどね。
耐火木造のメリット
デメリットばかり書きましたがメリットもあります。
それは単純に火災に強くなります。
火災保険も下がります。
あと防火地域の耐火建築物なら建蔽率が+10%ボーナスされます。
が、防火地域は都心の商業地域で80%のところがほとんどです。
90%になったところで外壁の後退距離を考えるとあまり関係ないです。
大規模マンションとかなら重要になってくるんでしょうね。
次回は我が家がなぜそんな大変な耐火建築物を建ようとしているのかを書きます。
ここまで読んで頂きありがとうございます。