ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

Atrium House

ゆとり技術者と建築家で建てる都市型住宅

我が家の特殊性について

いよいよ竣工が1ヶ月後となります。

我が家は少し変わった家になったので、そこに至るまでの過程をまとめておきます。

 

 

敷地について

大阪市の都市部にある30坪の成形地です。

父の所有物なのでタダ。

買うと6000万円以上するみたいです。

 

大阪2大繁華街である梅田と難波共に5km圏内と非常に利便性が良いです。

そして、前面に広い道路があります。


問題となったのが「防火地域」であること。

「準」じゃないやつです。

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住宅について

防火地域内に建てられる住宅は2つ。

耐火建築物(燃えない家)

平屋2階建て延床面積30坪以下
 準耐火建築物(燃え広がらない家)

 

我々は前者を建てるべく計画を進めてきましたが、大幅予算オーバーにより撤回。

計画を1年延期し後者に設計し直しました。

※ここで言う延床面積とは建築基準法で定められている床面積の合計、いわゆる法定延床面積です。

 

設計のやり直し

 延床30坪の家を設計するのは簡単です。

しかし、延床58坪3階建て延床30坪2階建てにするのは困難を極めます。

なんせ我々は希望の仕様を下げる気なんて全くないのですから。

 

そこで思いついたのが、

延床30坪住宅 車庫(別棟ガレージ)

法の目をくぐってなんとか形にできました。

詳細は過去記事へ。

 

元々はこんな感じ。

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こいつを30坪まで小さくしました。

 

3階建てから2階建てへの変更

3階建ては階段や非常用進入口が必要ですが、2階建てになれば不要です。

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これで8坪を削減できました。

残り20坪を住宅から排除します。

  

ガレージとテラスの別棟化

12坪あるビルトインのガレージ。

躯体を高額にした元凶です。

 

建蔽率80%の敷地をフルに使って別棟化、いわゆる「離れ」にします。

おまけに3坪の2階リビング隣のテラスもガレージの屋上に移設。

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これでガレージとテラスは住宅ではなくなり、延床30坪制限の対象外になります。

残り5坪です。

  

減築

別棟ガレージを敷地内に収まるよう調整し、各部屋を細かく減築することで5坪を捻出。

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とくに収納スペースはがっつり削りました。

  

床面積を増やさず拡張

我々の希望である吹抜け(高天井)リビング。

そして削った収納をロフトとして復活。

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高天井もロフトも床面積に含まれないのでノーカンです。

 

 

結果

1300万円の減額を達成し、予算内に収めることができました。

 

ここから更に減額し、只今2回目調整中。

1回目は過去記事へ。

 

こうして出来上がったのがこの間取り。

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※間取り図差替えました。(2021年10月18日)

 

ここに至るまで丸2年。

法の抜け道を探るため、勉強もしました。

これ以上のものはないと確信しています。

 

 

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第1種換気辞めました【45万円減】

減額調整の餌食となりました。

 

計画

第1種換気にする予定でした。

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それもメンテし易いダクトレス式のやつ。

熱交換率80%で外気を温めてから吸気するので、冷気が入ってきません。

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日本スティーベル

お値段税込み45万円

 

 

代替案

一般的な第3種換気です。

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穴が開いているだけなので冷気が入ります。

お値段なんと0万円

というのも、第1種はトイレやお風呂の局所換気があります。

それを24時間動かせば第3種になります。

 

45万円差ってすごいですよね。

まぁけど冷気が入らない分、電気代が浮くから良い・・・のか?

 

 

コスパ(簡易計算)

ちょっと計算してみる。

今の住まいは恐らく無断熱のめちゃ寒いマンションです。

もちろん第3種換気。

 

去年の電気代を見てみると、

   8月:1.5万円

12~3月:1.6万円

    他:1.0万円

でしたので、冷暖房費は年2.9万円です。

局所換気が全換気量の30%で、残りの70%を熱交換率80%で交換されるとすると年1.6万円減ることになります。

45万円差を埋めるのに28年かかります。

 

結論は出た気がします。

 

 

コスパ(詳細計算)

高断熱・高気密な新居ならどうだろう。

Q値を計算したチャートで計算してみる。

換気による熱損失は53.15W/K。

全換気量の70%を熱交換率80%で交換すると29.76W/K減ります。

大阪の毎月の平均気温と室温の差を考慮し24時間全館冷暖房すると、年1,590kWh分の熱量が削減されることになります。

エアコンの空調効率を3.5とすると、年1万円減ります。

  

また、我が家は平日は日中不在なので、実際は各部屋ごとに随時冷暖房を使います。

なので効果はもっと少なくなって誤差レベルになると思われます。

 

 

故障時

壊れた時のことも考えてみます。

24時間換気システムの寿命は10年から15年らしいです。

見積りによると、

第1種の換気ユニットは43万円

第3種の換気扇は4万円でした。

 

両方15年で交換し、50年住むと考えると、

第1種は129万円、第3種は12万円で、

交換費用の差額は117万円になります。

 

電気代が1万円安くなることを考えると

50年間で第1種は第3種より

37+117-1x50=104万円

高くなります。

 

ダクト式の第1種だと工賃も覚悟です。

 

絶対に元を取れないどころか、元を取れている期間すらないです。

一瞬でも採用を考えたのが不思議なレベル。

 

 

まとめ

・大阪で第1種換気はコスパ悪い

・恐らく1~3地域ならあった方が良い

・4地域ではじめて考えるレベル

・ダクトレス式ならいつでも後付けできる

・初期費用が45万円の減額になった

・トータルで104万円減額になる

 

第1種を採用するHMは省エネと一緒に空気の綺麗さもアピールするんですよね。

私は花粉症なのでそれに惹かれました。

 

けど、調べてみると第3種でも吸気口にフィルターが付けられるんですよね。

なので花粉フィルター付きにしました。

2,500円の増額です。

PM2.5対応のも普通に市販されてます。

 

また、冷気が入るので吸気口の位置は気にした方が良いです。

普段人がいる場所から少し離しましょう。

 

我が家は高気密住宅なので差圧式です。

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西邦工業 

 

 

P.S.

第3種にするならQ値計算し直さないとなぁと思いましたが、よくよく見ると既に第3種で計算されていました。

熱交換率80%の第1種で局所換気無しならQ値は1.25になっていたようです。

UA値は関係ないので変更なしです。

 

 

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現場の状況 2020年12月

前回の続き

 

 

リビングに足場が組まれていました。

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家の中に足場は珍しくないですかね?

 

足場に上ると、何故か内壁にも断熱材が。

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気密シートがなるべく途切れない様に余った断熱材を入れたそうです。

もうすぐ気密測定。どうなることやら。

  

車庫のファサードはタイル貼り。

下地のモルタルが塗られていました。

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モルタル下地のままでも格好いいね。

車庫の開口幅は5.2mです。

 

左側に門扉が付いてアプローチに続くのですが、想像していたより狭い。

狭くて暗いアプローチと天井高の低い玄関ホールを通って、階段を上がれば解放感のあるリビングというのが我が家「atrium house」のコンセプト。

 

月末には一通り石膏ボードが貼られて、エアコンが付いていました。

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リビングのエアコンはチャレンジしました。

LDK23帖弱+階段室5帖+パントリー2帖弱の計30帖に対して、エアコンは14帖用1台です。

しかもリビングは高天井なので容積としては50帖分ぐらい。

Q値的にはいけるはずですが、怖いので保険は打ってあります。

 

 階段も3段だけできてました。

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階段は高さ20cm弱、幅100cm弱と一般的な住宅の階段より低く広いです。

2階リビングなので配慮しました。

階段は超こだわりポイントなので楽しみ。

 

 

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現場の状況 2020年11月

前回の続き。

 

 

月初の外観

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木工事が終わり、外部建具が取り付いています。

 

緑色のテープが貼ってあるのが以前書いた門型フレームです。

在来工法で大開口を実現できますが、1台31万円と高額です。

3台使用で込み込み103万円

 

 

ファサード(正面)以外は外壁が貼られています。

我が家の外壁は住宅部は3種類のサイディング、車庫部は2種類のタイルと1種類のサイディングを使用しています。

 

住宅部の大半を占めるのが、横流しデザインが美しいケイミューのシュトラールです。

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我が家は隣家の壁と30cmしか隙間がなく人が入れないので、断熱材を入れる前に家の内部から柱の隙間を通してサイディングを施工しています。

その関係で横貼りになるので、横流しのデザインにすることでジョイント部を目立たなくしています。

その代わりコーキングは縦に入るので目立ちます。

そっちはそっちで対策しているのでまた書きます。

 

 

自慢の2階リビングとバルコニー。

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悩みに悩んだ窓です。

結局、FIX窓+引違い窓の4枚構成にしました。

この4枚で85万円の減額です。

※シャッター込みだと50万円の減額


腰壁の高さは入念に計算して、外から見えないぎりぎりの高さです。

狙い通りイチョウの木だけが見えます。

 

 

敷き詰められた断熱材。

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断熱材は旭ファイバーグラスのアクリア

壁 :高性能14Kの厚み105mm

天井:高性能14Kの厚み155mm

床 :高性能24Kの厚み120mm

UA値:0.52、Q値:1.59です。


 

月末の外観

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以前書いた透湿防水シートが一部貼られていました。

 

これまでしっかり予習してきたので、現場がよく分かります。

この後、中間検査をして合格しました。

 

 

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現場の状況 2020年 8~10月

あけましておめでとうございます。

今後もちょくちょく更新していきます。

 

今回は撮り貯めた現場の写真をUPします。

 

 

8月【着工】

RES-P工法による地盤改良。

30坪の土地に長さ8.5mのパイプが110本打ち込まれました。

税込み136万円

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9月【配筋】

張り巡らされた鉄筋。

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10月【基礎~上棟】

10月は盛りだくさんです。

 

綺麗なべた基礎。

手前の低い基礎が車庫と住宅のピロティ部で、奥の高い基礎が住居部です。

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奥側の基礎が2層になっているように見えますが、土地が弱傾斜していたので土留めをしているからです。

べた基礎一体打ちなのでベースと立上りは一体で打たれています。

詳細は過去記事へ。

 

 土台とポーチ階段。

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床下換気は10年1000万円のシロアリ保証付城東テクノさんのキソパッキン。

土台はシロアリに強いと言われるヒノキ材

ということで防蟻剤なしの計画でしたが、工務店さんがミスって防蟻処理済になっていました。

防蟻処理費用はもちろんタダ

 

クレーン車による棟上げ。

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全体像

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この後、上棟式をしました。

 

 

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現在の状況 2020年12月

お久しぶりです。

仕事が忙しくて更新できていませんでした。

 

家の状況

家の方は少し遅れてそうです。

現在は外壁は一部、外部建具は一通り、内装は下地が貼られている状態です。

来年2月中旬の引き渡しは怪しいです。

 

 

減額調整

減額調整の2回目は未だ継続中で、前回記載した1回目の減額(-310万円)から更に200万円下がりました。


正確には仕様変更で100万円増額し、300万円を減額しました。

 

増額の大半は階段の仕様UPです。

ささら桁階段から片持ち階段(+31万円)へ変更し、全段に間接照明(+61万円)を追加しました。

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※イメージ

残り60万円程度の減額が見込まれていますので、減額の詳細については確定してから書こうと思います。

 

 

現時点での費用

現時点での住宅価格は税込み5325万円。

設計・監理費が税込み570万円になります。

 

設計・監理費は住宅価格の10%が相場なので少し高めです。

これは減額調整によって住宅価格が下がったことと、大幅な設計変更により追加設計費の70万円を支払ったためです。

 

 

残念な話

新型コロナの影響で次世代住宅ポイント制度が延長されて、我が家も対象に含まれるようになっていたのですが、チェックできておらず申し込めませんでした。

申し込めたら上限の35万円分のポイントだったのでガッカリです。


また、最近ソファを購入したのですが、購入した2週間後に同ブランドの別店舗で10%引き+送料無料キャンペーンが始まりました。

15万円程を逃していました。

 

最近のWeb広告は私の閲覧履歴から予測して表示するので、知りたくなものも知ってしまいますね。

それでは皆さん良いお年を。

 

 

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現在の状況 2020年 8月

久々の更新です。

 

今月の打ち合わせはゼロ。

基礎高とリビングの窓に変更がありました。

また、現場では工事が始まっています。

 

 

基礎高の変更

我が家の敷地は間口に向かって僅かに前傾しています。

が、建築士さんが見落としていました。

そのままだと掘削量が増えるので基礎高を調整し辻褄を合わせました。

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住宅部の基礎高が40cmを下回るのでフラット35は使えなくなります。

変動で組むので関係ないですが。

 

 

リビングの窓

結局テラス窓は両方引き違い窓になりました。

223cm×200cmのFIX窓は大板ガラスで工賃21万になるみたい。

 

 

掘削工事

現場では掘削工事が始まりました。

ただ、掘ってみるとコンクリやレンガが出てきました。

かなり多いらしく、処分に16万円程度かかりそうです。

 

旧家は木造で解体時にきっちりと処分したので、恐らくそれ以前のものです。

太平洋戦争時は一面焼け野原になった地域なんで仕方ないですね。

不発弾が出ないことを祈ります。

 

 

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